珈琲イメージ

日本と海外の珈琲に対する意識の違い

若い頃にイタリアに短期留学していたことがあり、その影響からか濃くて苦みが強い珈琲が好きになりました。
日本にいた頃はカフェでアルバイトした経験もありましたので、それなりに味にはこだわっていたつもりです。
品種も好きなものがはっきりしており、マンデリンなどのしっかりした苦みの主張があるものをいつも飲んでいました。
煎れ方はネルドリップ、これはアルバイト時代の先輩達の影響もあり、少し手ほどきを受けることができたことで、微妙な味の違いにも慣れていったように思います。
ネルドリップほど煎れる人の技術が味を左右するものは無いだろうと思っていますが、それ以外でも実はテクニックが必要となるようで、イタリアンカフェで働く知人に聞きますとエスプレッソマシーンも使い方が上手かどうかはあるのだと言います。
確かに最近はバリスタという職業がとても注目を集めておりますし、その世界大会も毎年話題になります。
それは何事にも研究熱心な日本人の気質を刺激するようで、日本人バリスタが世界大会で上位入賞を果たしたなどの実績を誇ります。
バリスタとは簡単に言えばバーテンのノンアルコール版のような存在、つまりソフトドリンクを主にサービスする役割です。
さすがにネルドリップ専門の分野には、バリスタという存在は聞き覚えがありませんのでジャンル自体が微妙に異なるのかもしれません。
しかし味に対してこだわりを持つという意味では、双方共通したプロ意識は必要です。
珈琲に関する深い知識は持っていなければいけませんし、それをいかに手際良く客に振る舞うかという、技術やセンスも欠かす事のできない重要な仕事です。
イタリアではまだバリスタという仕事を知らない時期の滞在でしたので、バールのカウンタースタッフのような見方でしかなく、日本の喫茶店のカウンターとさほど区別はしていませんでした。
しかしある時ミラノで仲良くなったバリスタに、いろいろ教えてもらったお陰で少しイタリア人の珈琲に対する意識がわかりました。
それは日本とは根本的に違うもので、イタリア人は朝昼晩とそれぞれ時間に合った珈琲の飲み方をするのに対し、日本人は個々の好みにあった品種やタイプで飲むことが一般的という違いがあることを感じました。
どちらが珈琲を理解しているかとか、どちらが正しいとかの比較ではなく、それが国民性だという感想を持ったのです。
もしくは歴史や文化の違いから来る習慣性の差だとも言えるでしょう。
イタリア人は朝はカプチーノなど優しい口当たりの物を飲むのが一般的、結構な割り合いでお砂糖もたっぷり入れますので相当な甘さです。
しかし午後になり遅い時間になるにつれ、エスプレッソやエスプレッソマキヤートなど濃くて刺激が強いものになります。
それは食後など胃の消化を助けるために飲むという意識が強いようですので、目的が朝一のカプチーノとは違ってきます。
日本人でもそうしないとは言いませんが、むしろ朝一で目を覚ますという意味合いでブラックを飲む意識や習慣があるのではないでしょうか。
私はもう何年も朝はブラック、イタリアにいた当時もやはりそれは変わりませんでした。
逆に夕飯時にカプチーノを頼んで、イタリア人の知り合いにからかわれたような記憶がありますので、現地の人から見るとその時間にカプチーノはやはり一般的な習慣だとは言えないのでしょう。
どちらが先進国とも思いませんが、イタリア流の考え方もあながち理解に難くはないと感じました。

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